”気持ちいい”と感じるまでのプロセスを深掘り

サウナに通う日々で、季節によって感じかたが変わるため詳しく調べました。

単純に、

  • 寒いときに温かい缶コーヒーで手を温めると”気持ちいい”
  • 暑いときに冷たいアイスを飲むと”気持ちいい”
  • 身体を動かしたときにお腹が空いたとき”美味しい”

ということがあると思います。深掘りしていきます。

五感が脳に伝わり”気持ちいい”を感じるということを仮定します。

五感とは感覚受容体

  1. 視覚:目にある受容体(主に網膜上の視細胞)が光を検出し、視覚情報を脳に送信します。
  2. 聴覚:耳にある受容体(内耳の蝸牛にある毛細胞)が音の振動を検出し、聴覚情報を脳に送信します。
  3. 嗅覚:鼻の内側にある嗅覚受容体が空気中の化学物質(匂い分子)を検出し、嗅覚情報を脳に送信します。
  4. 味覚:舌上および口腔内の味蕾にある味覚受容体が食べ物や飲み物の味(甘い、塩辛い、酸っぱい、苦い、旨味)を検出し、味覚情報を脳に送信します。
  5. 触覚:皮膚に広がる触覚受容体が圧力、温度、痛み、振動などの物理的刺激を検出し、触覚情報を脳に送信します。

”気持ちいい”感じるステップを神経科学と心理学の観点から専門的に考察

  1. 感覚受容体の活性化:
    五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)は、それぞれ専用の感覚受容体を通じて外部の刺激を検出します。これらの受容体は、光、音、化学物質、圧力など特定の種類の刺激に反応して、神経信号を生成します。
  2. 神経信号の伝達:
    生成された神経信号は、感覚神経を通じて中枢神経系、特に脳に伝達されます。この伝達過程では、脊髄や神経経路を経由して、脳の特定の領域に信号が送られます。
  3. 脳における情報処理:
    脳の感覚野や関連する領域で、これらの信号が処理されます。視覚情報は視覚野、聴覚情報は聴覚野、触覚情報は体性感覚野で処理されるなど、各感覚に対応した脳領域が存在します。
  4. 感情と認知の関与:
    感覚情報は、大脳辺縁系(感情を処理する脳領域)や前頭葉(高次認知機能を担う部分)とも関連しています。これらの領域は、感覚情報に感情的な意味を与えたり、過去の記憶や経験と関連付けたりすることで、「気持ちいい」という感覚を形成します。
  5. 身体反応の調整:
    心地よさやリラクゼーションを感じると、自律神経系が反応し、心拍数の減少、呼吸の深まり、筋肉のリラクゼーションなどの身体反応を引き起こします。
  6. 個人差と文化的要素:
    「気持ちいい」と感じる具体的な感覚は、個人の遺伝的な要素、過去の経験、文化的背景、現在の心理状態などによって大きく異なります。これは、脳が感覚情報を処理する際にこれらの要素を統合するためです。
  7. 内部状態の認識:
    内部感覚(インターセプション)も「気持ちいい」という感覚に寄与します。これは、身体の内部状態(例えば腹部の満足感、体温の調整など)を感じ取る能力で、全体的な快適さや満足感に影響を与えます。

例.寒い日に外でのむ豚汁(五感で楽しむ)

  1. 視覚(見る): 最初に、目で温かいスープを見ます。見た目の色や蒸気が立ち上る様子が、食欲を刺激し、美味しいという期待感を高めます。
  2. 嗅覚(匂いを嗅ぐ): スープの香りが鼻に届きます。香ばしい味噌や具材の匂いは食欲をさらに刺激し、美味しさを予期させます。寒い外での体験は、この香りをより際立たせることがあります。
  3. 触覚(触れることを感じる): スープを手に持つと、温かさが手のひらを通じて感じられます。寒い外気との対比により、この温かさは特に心地よく感じられます。
  4. 味覚(味を感じる): スープを口に含むと、味噌や具材の味が味覚を刺激します。温かいスープは味覚受容体を活性化させ、寒い環境での温かい食事の美味しさをより強く感じさせます。
  5. 聴覚(聞く): このシナリオでは、聴覚は直接的な役割は少ないかもしれませんが、周囲の環境音(風の音、人々の会話など)が全体的な雰囲気を形成し、食事体験を豊かにすることがあります。

例.外気浴の適切な温度

真冬の外気浴で”ととのう”が発生しないため考察しました。

たとえば外気浴が2~5度の場合

真冬に外気温度が約2度という低温の環境では「気持ちいい」と感じることが少ないのは、体の生理的反応と環境の適応に関係してる可能性がある。

  1. 体温調節: 人間の体は、一定の体温(約36.5°C – 37.5°C)を維持するように進化しています。外気温が2度という低温は、体温を保つための理想的な範囲からかけ離れています。このような低温環境にさらされると、体は熱を失うことを防ぐためにエネルギーを使い、血管を収縮させて体温の損失を最小限に抑えようとします。
  2. 不快感の増加: 低温では、体が寒さに対処するために震えたり、筋肉が緊張したりするため、不快感が増加します。これにより、心地よさやリラクゼーションを感じることが困難になります。
  3. 急激な温度変化: サウナと外気との間の温度差が非常に大きい場合(例えばサウナの100度から外気の2度への変化)、体は急激な温度変化に対応するのが難しくなります。このような極端な温度変化は、体にとってストレスになり得ます。
  4. 個人の感受性: また、個人によって寒さに対する感受性が異なるため、同じ環境でも「気持ちいい」と感じるかどうかは個人差があります。一部の人々は、低温環境でもリフレッシュ感や活性化を感じることがありますが、多くの人にとっては不快感が支配的です。

適切な気温

  1. 水風呂の冷却効果: 水風呂は体温を急速に下げ、血管を収縮させます。そのため、サウナの高温に続いて水風呂を利用すると、体はすでにかなりの冷却効果を経験しています。これを踏まえると、外気浴の際の気温は水風呂ほど低くなくても十分な冷却効果が得られる可能性があります。
  2. 適度な温度範囲: 水風呂の後の外気浴には、あまり低すぎない温度が適していると考えられます。おおよそ15°Cから20°Cの範囲が適切かもしれません。この温度範囲では、体は水風呂での急激な温度変化から徐々に平常状態に戻り、快適さとリラクゼーションを感じやすくなります。
  3. 個人差の考慮: 個人の好みや体の反応には大きな差があるため、最適な外気温度は個々に異なります。一部の人々はより涼しい気温でリフレッシュ感を感じる一方で、他の人々はやや暖かい気温でリラクゼーションを感じるかもしれません。
  4. 健康と安全の確保: 高温のサウナと冷たい水風呂を経験した後の外気浴は、体にとってかなりのストレスになり得るため、特に健康状態や体調に注意が必要です。外気浴の時間も長すぎず、体が適切に反応できる範囲内で行うことが重要です。